今日持っているものを全部ポケットから出す

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私、さだまさしさんという方がとても好きなんですね。
その昔、5才年上の姉がファンで、よくさださんの音楽を聴いてました。
同級生にも熱烈なファンがいて、よく知ってはいたんですが、高校生の私には、もっとせつない恋の歌の方が必要で、実はそれほど興味はありませんでした。

 

しみじみと聴くようになったのは、30を過ぎた頃からです。
結婚して子どもを産んで、慈しむ愛とか、美しさとか、生きていく悲しさとか、そんなことがおぼろげながら感じられるような歳になってはじめて、さださんの歌が胸にすっと落ちてきました。

 

多彩な方で、本もたくさん出版されています。
小説もありますし、エッセイもあります。
その中に『本気で言いたいことがある』という題名のエッセイがあります。
日本という国に生まれた私達が、何を大事にし、何を失ってきたか。
人として生きていくということはどういうことなのか。
そんなことが書かれています。

その中に、読んだ途端に思わずペンを取って書き記した言葉があります。

 

『今日持っているものを全部ポケットから出す』

 

それまでの私にはない発想でしたので、ものすごく新鮮でした。
二度とない今日という日を精一杯生きる。とまあ、つまりはそういうことなんですが、ちょっぴり大人になった私は、もう一歩考えます。

 

明日が不安だと、今日全部出しきってしまうのがとても怖いです。
明日の私がすっからかんだったら困る!とかね。
全部を出しきれない何かが起こったらどうしよう、とかね。
そうなると『明日にとっておこう』という気持ちも生まれてきたりします。
がむしゃらに今日を生きて、明日は倒れてもそれは本望。という生き方にも憧れないわけではないけれど、でもやはり私は、明日を生きていかなくてはなりません。

 

では、明日もまた全部を出しきることができるためには何が必要かというと。

 

安心できる暮らしの器を持つことなんじゃないかと思っています。
それは、日々の暮らしであったり、家族であったり、健康であったり、心の平穏であったり…。
毎日気づかずに通りすぎていってしまうような、何気ない日々の暮らしを大切に生きていくこと。それがとても大事だなぁと思うのです。
自分の拠り所となる暮らしがあってはじめて、安心して全部を出しきれる覚悟ができるんじゃないのかな。そんなふうに思うのです。

 

『今日も無事に暮らせたことに感謝!精一杯生きられたことに満足!明日もがんばろう!』
そう思って眠りにつけたら、こんなに幸せなことはないな。と、理想の生き方を夢見てはは、うっとりする日々です(笑)
現実には、なかなか難しいですけどね。

                                                                                                         みぞろぎ

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コメント(7)

素敵なメッセージをありがとう ちょっと落ち込んでいたので噛み締めて読みました 4日五十嵐

さだまさしが言う「今日持っているものを全部ポケットから出す」とは、内容が数段違うとは思いますが、大体そんな生き方をしています。ときどき、自分が空っぽになってしまって淋しくなります。そんなとき、一人になり、何かを黙々とします。まだまだ淋しくて涙が出るときがあります。そうすると胸が熱くなり少しづつ元気が出てきます。大体の人に、「おまえはばかだ」と言われます。でも、そこが、結構楽な場所です。愛情持って行ってくれる人、ほんとに馬鹿にする人、友達の分かれ道です。こころの洗たくメッセージありがとうございます。4日誠子

少し難しいですね。コメントも考え深いです。頭の弱いながおかは何度も読み返す時間をください。

溝呂木様 さだまさしさん、やはり姉がファンだったので私も好きでした!今度カラオケで歌ってみようなか?4日宮澤

余力を残す余裕がありません´д` ;安心して暮らせる器…わたしの現実から遠いな。。ポケットの中身は毎日空っぽ…私は息子に何を残してあげられるのかなぁ、、形になるものは無いかも。深く考えさせられる投稿をありがとうございます。自分自身を見直す時間です。4日雨宮

溝呂木様、
芥川龍之介の様な、、文才だよね、才女です。10月4日.東條初惠、

五十嵐さん
そんなふうに言われると、すごくうれしいです!
こちらこそありがとうございます。

誠子さん
私は、どうも出し惜しみをするタイプなんですね。けちなんです。
つい、もったいないとか思っちゃう。
誠子さんみたいな生き方、とっても好きです。ちょっぴりうらやましいです。

ながおかさん
ごめんなさい。文章力のない私を許して下さい。
自分でもちょっと消化しきれてないところが文章に出てしまった気がします。
また今度は違った形で、書いてみたいと思います。

宮澤さん
カラオケ♪良い歌がいっぱいですからぜひ♪
私、歌うのは車の中だけですけど。

東條会長
それは言いすぎです。困ります。
でも、芥川龍之介は高校生の頃夢中で読みました。足元にも及びませんが、ちょっとうれしいです。

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